今回は,小学校高学年の社会をオンラインで学習する際におすすめな「スタディサプリ小4~小6社会」について紹介していきたいと思います。
小学校で学ぶ教科というのは長期にわたって役立つものが多く,例えば,社会で年表を中心とした歴史の流れを理解しておくことができると,中学校や高校で日本史や世界史を学ぶ際,頭に入ってきやすいと感じるでしょう。
基礎知識があることは本人にとっては当たり前のことなので,表立ってその恩恵を自覚することは少ないかもしれませんが,理解力や学ぶ速度に影響しますし,いざとなった際の大逆転をも可能にします。
以下では,スタディサプリの小4~小6社会の進め方を中心に,それぞれの学年においてどのような内容を学ぶことになるのか,実際の画面を使って確認していきましょう!
スタディサプリの小4~小6社会について

スタディサプリの小4~小6社会ですが,他教科と同様,「基礎」と「応用」の2種類の難易度の講座が用意されており,学年は小学4~6年生までの計3学年分の動画が揃っています。
とはいえ,小学講座のほとんどが20~30講義からなるのに対し,小4社会は講義数が半分程度になっていて,全範囲の学習をより早く終えられることが特徴です(少ない理由については後述)。
他に小3社会もありますが,そちらは構成が大きく異なるので別物だと考えてください↓
ところで,社会は暗記科目なので詰め込み学習になることが多く,例えば,川の名前や県庁所在地を学ぶ際は暗記する他ありません。
しかし,スタディサプリで授業を受けることは一助となり,こちらも例を挙げてみると,五街道を暗記する際に東海道が東の海岸沿いを通り,中山道は中央部の山脈を通ると教えてもらえば,少なくともこの2つを取り違えることはなくなるでしょう。
このとき覚えた内容は,すぐに忘れてしまわぬよう,以下のようなノート術を駆使するようにしてください↓
以下に,小学校高学年用に存在している講座の量についてまとめてみましょう↓
スタサプ小4~小6社会の講義数
小4:基礎15講義,応用12講義
小5:基礎21講義,応用30講義
小6:基礎25講義,応用30講義
全部合わせると133講義になりますが,最短で小学社会を学ぶのであれば,小5と小6の基礎講義(46講義)を全て視聴すればOKです。
講義動画を観るだけなら1つにつき1時間もかかりませんので,平日に1講義ずつの学習であっても2ヶ月あれば学び終えられてしまうコンパクトな構成だけに,取り急ぎ社会の基礎を身に付けてしまいたい小学生にとってみれば,スタディサプリは大変ありがたい教材であるように思われます。
教科によっては基礎と応用で講師が変わる講座もありますが,小学校の社会科においてはすべての講義動画を玉田久文先生が担当します。
彼は中学受験専門塾の出身で,2010年からは横浜で「ひよし塾」を開いて教えていますが,普段学校で受けているものとは明らかに異なる雰囲気の授業からは,塾でしか学べないテクニックを伝授してもらえますし,楽しい授業を得意にしている印象を受けました。
物言いがどこか優しく感じられるのは,娘さんをお持ちのパパだからでしょう。
最近ではYouTubeも始めたとのことですが,スタディサプリの講師の人柄に興味がある方は,講師紹介ページを覗いてみてください↓
それでは次章から,学年別に講義の内容や進め方をみていくことにしましょう!
小4社会講座の進め方

まずは小学4年生向けの講座ですが,この学年における社会科の学習指導要領では「子どもが住む地域の取り組みを多く扱う」ことが目標となっており,学ぶ内容が限られてきます。
つまり,小4社会の講義内容はかなり自由な構成にせざるを得ないわけであって,本格的な学習は5年生から始まると覚えておきましょう。
スタディサプリにおいても,学校で使う教科書と足並みをそれほど揃えておらず,子どもが興味を持ちやすいタイトルが多めとなっているのは,このような理由があるからです。
基本的には,興味を広げる使い方を心掛けてください。
なお,小学校高学年になるにつれて使用頻度が増えていく地図帳ですが,上の画像で示したように,その使い方については小4講座から詳しく説明されます。
また,新幹線の講義ではその開業の歴史から種類まで,夏休みの自由研究にそのまま使えてしまいそうな内容がまとめられていました↓

こうした内容は,各地の位置関係を理解するのに向いていますし,社会人向けのテストでも出題されることがあるので侮れません。
もちろん,実際に乗車してみたり,電車の写真を撮ったりすれば最高の学びです。
基礎
ここからは講座内容を詳しくみていきますが,2つあるレベルのうち,より簡単な「基礎」においては日常生活と都道府県が主なテーマとなっています。
前者では火事や事故,水や電気,ごみ問題などを扱いますが,4年生の段階で覚えてしまいたい用語が多く含まれていました。
後者においても,5年生から本格的に始動する地理の成績を大きく左右することになるので,早めに触れておくに越したことはないでしょう。
進め方についてですが,予習は不要です。
なのでいきなり動画を観る形になりますが,テキストは書き込める部分が多くなっていて,独学に慣れていない小学生でも飽きにくい構成であると言えるでしょう↓

このような形のパズルがありますし,桃鉄のようなゲームで遊んでみるのも良いと思います。
応用
次に「応用」の講座についてですが,前半では発展的な内容(銀行・乗り物・祭り・産業)を扱い,後半では世界について学ぶ構成です。
先に紹介した新幹線の話題は応用レベルの授業で登場することとなり,授業を受けた暁には以下のような確認テストも簡単に解けるようになっているでしょう↓

これに正解するには,頭の中に鉄道の路線図や県の位置関係が描けないといけないので,まさに応用レベルにふさわしい出題です。
繰り返しになりますが,スタディサプリの社会科の特徴として,アクティブラーニングを意識しているためか,写真や資料をあまり載せていないことが挙げられます。
そこで,学習者の態度としては地図帳やインターネットを活用し,気になったものを積極的に調べることが必要で,今後あらゆる学習の基礎となる「自立的学習の姿勢」を身に付けるように努めてください↓
小4社会は総講義数が少ない分,こうした調べ学習の時間を多く取るようにしましょう。
小5社会講座の進め方

スタディサプリの小5社会では「地理」を学びますが,小4講座で学んだ知識をより深く掘り下げては日本全国の暮らしや産業,環境から農業まで幅広く扱っているのが特徴で,先に学んだ新幹線や都道府県の知識も早速役に立ちます。
基礎
以下は基礎レベルの目次の一部ですが,こういった知識を完璧に覚えておけば中学で地理を学ぶことになっても理解しやすいです↓

小4のものと比べると講義数は倍近くに増えている分,地理の範囲を網羅的に学習することができるわけですが,小学生は頭が大変に柔らかい時期にあるため,彼らが多大な興味を示すようであれば凄まじい勢いでの成長が期待できます。
興味を持ったものには惜しみなく時間を費やしては自然と賢くなってくれるのが小学生の特性で,私の当時の同級生で戦艦や歴代天皇の名前をすべて暗記している友人がいましたが,今になって思い直してみると物凄い記憶力でした。
子どもの興味の範囲は,マンガのキャラクターの身長や学校名など,勉強と直接関係ない部分にも及びますが,いずれにおいても彼らの記憶力が遺憾なく発揮されることになります。
また,小4~小6社会の基礎レベルにおいては,「小学生向け問題集」にある確認問題が利用できるので,親はそれを使って子どもの理解度を確認し,理解が不十分なところをインターネットで一緒に調べてより印象付けてやる指導ができるでしょう↓

応用
次に応用レベルの講座説明に移りますが,全30講義を通して得られる知識量はテキストをパッと見ただけでもかなりの量にまで達することがわかるでしょう↓

第1講では,地球儀をグルグル回して熱弁する玉田先生の姿を見ることができます。
応用レベルも基礎のときと同様,1~2ヶ月で全部を見終わることができる量です。
もっとも,社会だけを学ぶわけではないので,他教科とのバランスを考えながら進めるようにしてください。
小5社会の勉強時間としては,動画を観てから確認テストを解くまでに計1時間くらいかかりますが,興味を持った事柄については小4社会のときと同様,自主的に調べさせるのが理想です。
それこそ,興味を示したものはとことん深めさせるのも1つの手で,子どもを連れて旅行したりご当地グルメをネット注文してみたりなど,学んだ知識との関わりを示すことでより記憶に残りやすくなります。
これは,スーパーに行ったときやテレビを観ているときにおいても同様で,産地や歴史上の人物を使って,子どもの知識を確認することができるでしょう。
小6社会講座の進め方

スタディサプリの小6社会では歴史と政治経済を学ぶことになりますが,板書がすごく受験指導を意識したものになっています。
基礎レベルには,歴史が18個の政治経済が7個の計25講義が用意され,応用レベルは前者が22講義,後者が8講義の計30講義です。
基礎
基礎レベルの歴史では「旧石器時代から大正・昭和・平成まで」を扱い,政経は「政治から三権分立,憲法,そして国際連合まで」となっていたので,幅広い分野を網羅しています。
なお,歴史では2002年の日朝国交正常化交渉あたりまでが載っていましたが,より最新の内容については歴史マンガなどを使って学ばせる方法もありでしょう↓
テキストにまとめられている内容は試験に役立つ内容で,特に基礎レベルのものは書き込み式ドリルのような形式で,後の人生においても登場頻度が高いものばかりです↓

欲を言えば,歴史年表の一覧まで欲しかったですが,これはまあ学校の教材を利用することにしましょう。
そうはいっても,テキストの価値が高いことは明白なので,本腰を入れて学ばれる方は購入することをおすすめします↓
政治経済では時事問題の鮮度も大切になってきますが,スタディサプリの小学講座ではテキストをダウンロードするページのところから,最新情報に差し替えることができるので心配は無用です。
以下は2020年になって更新された例ですが,情報が新しくなるよう定期的に見直しされていることがわかります(その後も2023年にも更新されました)↓

アクセス方法ですが,学習の進捗が確認できるWebページから「この講座のテキストをダウンロード」をクリックし,「時事更新一覧」をダウンロードしてください。
授業の受け方については,前章で語った内容と変わりありません。
授業を受けながらテキストに書き込み,知識は何度か復習も交えて完璧に覚え,興味があるものについてはとことん調べるという3つのステップを踏めば万事OKです。
授業終わりには確認テストを利用し,全問正解できるかどうかを判断基準に学習を進めていきましょう!
間違いが多ければ復習を挟みますし,たまには確認問題だけまとめて全部やり直してみるのも良い方法です。
応用
応用レベルも扱う内容は同じですが,講義数は基礎のときよりも5個多くなり,テキスト量も45ページ増えています。
基礎レベルのときは穴埋め形式でしたが,応用レベルでは書き込み作業が無くなる分,情報量が多めです。
例えば,縄文時代の遺跡のところでは応用レベルだと鳥浜貝塚まで学びますし,講義で得られる知識量も応用レベルの方が多くなります↓

確認テストの内容も多少異なるため,応用レベルのものの出来が悪かった時や復習の際は,基礎レベルのもの(小学生向け問題集にあるもの)を併用してみても良いでしょう。
まとめ

以上,スタディサプリ小4~小6社会の特徴と学年別の内容についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
上の画像で示しましたが,かつて私たちが「いい国(1192年)作ろう鎌倉幕府」という語呂で暗記させられた鎌倉時代は,今では1185年に始まったこととされています。
加えて,細かい年号を覚えるよりも大きな流れの方が,具体的な名称よりもシステム自体を理解する方が評価されるのが令和時代の社会科です。
ゆえに,本講座では「なぜだろう?」という好奇心を持って授業に臨むようにすると良い結果に繋がりやすくなります。
用語や地名についての暗記作業は必要ですが,基本的に社会は理科と同様,積み重ねがそこまで必要にならない教科ですので,学校の授業で今まさに学んでいる範囲から講義動画を見始めても,成績は上がりやすいです。
早い段階で結果が出ることで,小学生の達成感や自己肯定感が高まっては勉強にハマってくれるという好循環を見せることも少なくないでしょう。
もちろん,最大の効果を得るためには親による管理が必要となりますので,具体的には基礎レベルを中心に先に紹介した「小学生問題集」のコンテンツも用いながら,子どもと対話しながら進めていくことを心がけてみてください。
なお,社会を本格的に学習しようというのであれば別に問題集を1冊用意するのがおすすめです。
スタディサプリの基礎レベルの講義には毎回10問程度の確認テストが付いていることは確かですが,あくまで講義内容を確認するのが主な目的となります。
ゆえに,中学受験に向けた対策をしたければ,例えば,時間を少し空けて復習代わりに薄い問題集を仕上げさせたり長期休暇に一気に総復習させたりといった工夫が必要でしょう。
なお,講義をすべて観終わった時点で志望校の過去問を解かせてみて,その結果を踏まえて小6の夏以降の勉強方針を決めるようにするのが無難な態度なように思われます。
合格点が取れるようならそのまま学力を維持すれば良いわけですし,もしも足りないようならさらに問題集を追加すればよいわけです。
講義は玉田先生1人なので,まずは相性チェックから始めましょう。
なお,小学校高学年向け講座の進め方全般についてやキャンペーンの実施状況等については以下でまとめています↓
併せてお読みいただけたら幸いです。
ここまでお読みいただき,ありがとうございました。