今回ですが,公立の中学校に通うスタサプ生が最高学年になって,いよいよ高校受験を視野に入れて勉強する際の学習目標を紹介します。
これは,実際に私が塾で長年行ってきた方法をまとめたものであり,本来ならば個別指導形式で行っているはずのところを誰にでも実践可能な形に簡略化したものです。
もちろん,実際の指導ありきなところもありますが,逆に塾でスタディサプリの講座を用いることはないわけですし,塾に通う公立の中3生がどのような目標を立てて学んでいるのかを知れば,自身の学習進度について見直しやすくなるでしょう。
中3の春休みから翌年の高校受験にいたるまで,科目ごとにどのような勉強をしていけばよいのかまとめたので,ぜひ参考にしてください!
公立中の3年生の年間学習目標
公立中学校に通い始めて3年目ともなると,腰が重かった人もいよいよ高校受験のための勉強を始めることになります。
幸運なことに,大学受験と異なり,高校受験では1年間頑張るだけでも大きな成果を手にすることができるわけで,内申点も中学1~2年生の成績は考慮されないことがほとんどです。
もちろん,然るべき時期にそれ相応の勉強を行うことが大切になってきますが,時期ごとに何をすべきかが明確に決まっています。
以下の学習目標に従い,英語と数学をメインに,国語や理社も忘れずに学んでいきましょう↓
時期 | 英語 | 数学 | 国語 | 理科&社会 |
3~4月 | 中1&中2文法復習 | 中1&中2復習 | 基礎読解 | 中1&中2復習 |
4~6月 | 中3文法予習 基礎英文読解 単語ノートの作成 苦手例文のまとめ 英検受験 | 中3前半部の予習 | 基礎問題演習 | 定期テスト |
7月 | 定期テスト 構造分析 基礎文法演習 | 定期テスト 中3前半部の復習 | 定期テスト 問題解法の習得 | 定期テスト 基礎知識の暗記 |
夏 | リスニング演習 単語ノートの作成 苦手例文まとめ 苦手分野の演習 基礎文法演習 | 苦手分野の演習 図形と関数の演習 | 標準問題演習 | 苦手分野の演習 中3範囲の予習 |
9~12月 | 長文問題演習 リスニング演習 予想問題集 | 中3全範囲予習 基礎問題演習 予想問題集 | 予想問題集 | 予想問題集 |
冬 | 予想問題集 苦手分野演習 得意分野演習 | 予想問題集 苦手分野演習 得意分野演習 | 予想問題集 苦手分野演習 得意分野演習 | 予想問題集 苦手分野演習 得意分野演習 |
1~2月 | 過去問 総復習 | 過去問 総復習 | 過去問 総復習 | 過去問 総復習 |
とはいえ,この表では具体的な方法までを確認することができません。
なので,次章から時期ごとにスタディサプリのどの講座を使って学べばよいか,また市販の参考書はどのようなものを併用していけばよいかについてみていきたいと思います。
具体的な書名については以下の記事で紹介しているので参考にしてください↓
スタサプ中3生の3~4月の学習目標
春休みは短いですが,高校受験勉強の良いスタートを切るためには重要です。
以下では英語・数学・国語・理社の順番で見ていくことにしましょう!
英語
英語は中学1~2年生で習った文法範囲を総復習します。
スタディサプリでは,受験対策講座のところに「中1・2総復習」があるので,まずはそれを終わらせましょう↓
内容としては,スタディサプリの「中1英語」と「中2英語」にある確認テストの一部を解き直す講座です。
数百問程度の問題数になりますが,不十分に感じられる場合は市販教材を使って同範囲の復習をしましょう。
どのくらい正解できるかにもよりますが,多くの方は一通り行うだけでは不十分なので,3周以上することを勧めます。
数学
英語と同様,積み重ねが必要な教科が数学なので,こちらも中学1~2年の復習は欠かせません。
スタディサプリの使い方は同じで,数学版の「中1・2総復習」を使うようにしてください。
市販本を使って演習量を増やしたい人は,教科書内容に準拠した問題集や10分くらいで学べるドリルを使ってみるのも良い方法です。
国語
国語の場合,スタサプにある「中1・2総復習」を使っても古文と漢文と詩しか復習できませんので,それをやり終えてから「中1国語」と「中2国語」(いずれも共通版)の後半にある「現代文実践」で読解演習も行ってください。
例えば,以下の中2国語では説明文や文学や随筆の中から全9作品を読むことができます↓
普段共通版の方を使っている人は,光村図書の方をやりましょう。
出来がいまいちだった方は,中2用の基礎レベルの読解用問題集を買って学ぶようにしてください。
理科&社会
理社においても春の時期に行うことは同じです。
スタディサプリにある「中1・2総復習」を用いて復習しましょう!
スタサプ中3生の4~6月の学習目標
1学期が始まったら,英数は予習中心で,学校の授業よりも早めに学んでいきます。
GWまでに日々の学習ペースを掴むようにしましょう。
英語
4~6月の英語学習ですが中3の文法範囲をすべて終わらせます。
普段使う教科書に対応した講座で学んでしまうと文法以外の内容も含まれてしまうので,「中3英語(共通版)」を用いるのがおすすめです。
続いて,通年講座にある「リーディング」を使って読解の基礎力を身に付けます。
学年は中1~中2のものに加えて中3範囲もできるだけやるようにしますが,中3の文法範囲が終わっているので,まずはhopだけを1年分やり,内容を理解してから今度はstepに移動するのがコツです↓
中3リーディングで残ったものがあれば夏休みに解けばよいので,やり終えることを優先しないでください。
それよりも,わからなかった単語をノートに書き出したり,読めなかった文を書き出して例文集を作ってみたりすることの方が重要です。
例えば,4月のhopで言えば,
- shirt=シャツ,different=異なる,popular=人気の
- We call it an aloha shirt=私たちはそれをアロハシャツと呼んでいます
などをノートに書き写すことになります。
英語のノート術に関しては以下の記事を参考にしてください↓
同時に英検講座も受講して3級または準2級合格を目指しましょう↓
受験のチャンスは夏以降にもありますが,やるからには合格を目指して頑張ってください。
購入すべき市販問題集は中3文法を扱ったものと,中3生対象の読解用問題集のうち易しめのもの,そして英検問題集が候補です。
数学
4~6月はスタサプの「中3数学」を使って二次関数(共通版だと第4章)までを予習形式で学ぶようにしてください。
学校の進度に追い抜かれて復習中心になってしまうのは好ましくありません。
数学が苦手な人ほど予習をすることを忘れないようにしましょう。
詳しいやり方は以下の記事で解説しています↓
この他,計算力をアップさせるために,市販本の計算ドリルを解いてください。
計算ミスが減る他,早く解けるようになった分だけ,他の問題に時間を割けるようになります。
国語
国語はスタディサプリの「中3国語(共通版)」を使って一定のペースで学んでいきます。
全26講座なので2~3日に1つのペースで学べば期間内に終わるはずです。
とはいえ,残ったものは夏休みに回すこともできるので,英数を最優先に考えてください。
スタサプの国語講座の具体的な使い方については以下の記事をどうぞ↓
漢字に関しては市販の問題集を購入し,別に対策しましょう。
国語は同じ問題の解き直しをしない科目とされますが,この時期に中3レベルの問題集を3周しておくのは有効です。
もちろん,上のスタサプを3周やるでも構いません。
理科&社会
理社は学校の授業に併せて学んでいきます。
たしかに,スタディサプリの各種通年講座を使って予習しておくに越したことはありません。
とはいえ,英数をやってさらに国語まで他にやる必要があるわけですから,理社の予習は時間に余裕ができたときに少しやるだけになるでしょう。
なので,基本的には学校の授業の復習をスタディサプリで行うことになるはずですが,ノート作りを頑張っておくと,それがそのまま高校入試の勉強に直結するので,以下の記事を参考に工夫してみてください↓
暗記科目である理科&社会は,受験の直前期に全知識をすぐに呼び起こす必要があります。
その時に備えて,早いうちから用意しておくというわけです。
スタサプ中3生の7月の学習目標
公立の中学3年生の7月の目標ですが,科目に関係なく定期テスト対策に専念しましょう。
内申点に関わる大切なテストですから,学校の教科書とワークを念入りに行うようにします。
スタサプでは,定期テスト対策講座を使ってください↓
英語は該当範囲の文法事項を市販の問題集も使って学んでおきましょう。
学校の教科書に準拠した教材を使うのもおすすめです↓
スタサプ中3生の夏休みの学習目標
夏休みは高校受験のための勉強をするのに最も適した時期となります。
毎年多くの生徒が偏差値を大きく伸ばしているので,自分もそれに続きましょう!
英語
中3の夏休みですが,家で長時間学べることを生かして,特に英語はこの時期にしかできないことを多くやるようにします。
まずはリスニングのディクテーションを行いますが,通年講座にある「中1リスニング」と「中2リスニング」のすべてと「中3英語リスニング」の7月までを題材として,ノートに全文を書き取ってみてください↓
この方法の良いところは,文法事項やスペルに気を配りながら書く練習が行えるところです。
音源として,これらの他に英検対策講座内にあるリスニング対策も使えるでしょう。
すでに購入した市販の英検問題集を使うでも構いません。
ディクテーションの詳しいやり方については以下の記事をどうぞ↓
読解に関しては,すでに紹介した「中3リーディング」のstepやjumpの問題を使って,4~6月のときと同じく苦手な単語や例文をノートに書き写すようにしますが,マインドマップを使って自分の弱点を視覚化し,それらの単元に集中して演習量を増やすことも行ってください↓
最終的には市販の中3用問題集を3周することを目標とします。
数学
数学は夏休みにテスト形式での演習を行います。
スタサプは手を動かさずに終わることが多いため,問題集を別に買う方が良いでしょう。
とはいえ,スタサプの夏休み前までの範囲の確認テストを解き直すことを是非して欲しいと思いますし,購入した問題集は最低3周するようにしてください(さらっと言っていますが,実際にやるのは大変です)。
時間を測って長時間集中するのは,学校がある時期には難しいことですから,夏休みにやりましょう。
また,数学で合否を分けることが多い図形(共通版だと5~6章)と二次関数(4章)に関しては分野別の問題集を別に用意して強化していきます(前者は予習になります)。
英語と数学は特に重要なので,一層の努力が必要です。
国語
国語は夏に読解用の標準問題集を1冊仕上げてください。
英語と数学に多くの労力を割くことになるため,それ以外の科目の勉強は控えめになりますが,漢字の総まとめや,時間を測って総合問題を解くことくらいは,たとえ1回であっても忘れずにやっておきたいものです。
理科&社会
理科と社会は苦手分野の復習を最優先にするものの,他教科の合間に気分転換を兼ねて学ぶようにし,中3範囲をすべて予習してしまうことを目標にしましょう↓
最悪,秋から理社を開始しても間に合わなくもないのですが,最低限,2学期に学ぶ範囲までの予習を夏の間に完了させておくことを強くおすすめします。
スタサプ中3生の9~12月の学習目標
2学期が始まると教室の雰囲気がガラッと変わりがちですが,毎年9~12月になると,明らかに学力が伸びた人がちらほら見受けられるようになるところが興味深いです。
勉強は予想問題集(または過去問集)を解くことが中心となり,制限時間を気にするようにします。
英語
英語はまず「中3英語受験対策[公立標準・難関]」を使いましょう。
主な用途は,文法事項の確認と長文読解の演習です。
「中3英語リスニング」においても9月以降のものを使って学んでいきます。
この他,英検用の音源を使っても構いません↓
英検準2級まで取得できていない人はこの時期に挑戦してみましょう。
また,大手予備校が主催する模試(Vもぎなど)を受けることも重要で,テスト会場の雰囲気を体験できたり,今の偏差値を知ったりできます。
市販問題集としては,長文問題集を別に買ってきて1冊仕上げましょう。
スタディサプリのものだけでは不十分です。
数学
夏に手を出さなかった中3範囲の残り(三平方以降)を予習して完成させます。
このときにおいても,スタサプの「中3数学」を用いることが可能です。
その後「中3数学受験対策[公立標準・難関]」を用いて,中学内容の総復習を行うと同時に,入試直前演習のところからは頻出問題を解くことができます(差がつく難問はやらなくても構いません)↓
ただし,時間を測ってノートにやることを忘れないでください。
余った時間は見直しをすることで,本番と近い状況を作ることができます。
こういった実践的な学びが重要です。
国語
国語ですが,スタディサプリにある「中3国語受験対策実践[公立標準]」で学ぶようにしましょう。
しかし,それ以外に作文を書いて学校の先生にみてもらうといった記述対策も重要で,ペースとしては毎日ではなく,1ヶ月に2~3回行う程度で構いません。
理科&社会
理科と社会で未習範囲がある場合は,そちらを最優先で全範囲を終わらせてください。
その後はスタサプの「受験対策実践[公立標準]」使って練習あるのみです。
ただし,定期テスト期間中はそちらの対策に専念し,高得点を取ってください。
学校のワークはあらかじめコピーを取っていると思うのでそれらを復習し,内申点は最高ランクを目指しましょう!
スタサプ中3生の冬休みの学習目標
冬休みは中3のスタサプ生にとっての最後の長期休暇です。
病気に気を付けて,睡眠時間が短くなりすぎないように注意しつつ頑張りましょう!
英語
自宅で時間を測って予想問題を解いていきます。
このときに用いるのは市販の予想問題集または過去問集ですが,ここまでの勉強で知識量は十分なので,あとは制限時間内にどれだけ得点できるのかを学ぶだけの状態です。
とはいえ,苦手分野が見つかれば復習するようにしますし,長文問題集やリスニングや英作文も別に学ぶようにしてください。
都内の生徒など,入試でスピーキングが問われる方はそちらの対策も怠らないようにしましょう。
数学
この時期の数学は予想問題集を解いていきます。
意識するのは得点力の強化です。
演習を通して判明した苦手分野はこれまでの問題集を使って復習し,スタサプの受験対策講座にある難問もすべて解いてしまいましょう。
国語
予想問題集を用いて,制限時間内に問題を解いていきます。
他の教科と同様,苦手分野があれば個別に対応してください。
読解の得点が合格点に達していなければ読解用の問題集を追加して対策します。
理科&社会
冬休みの理社は過去問を用いた演習と苦手分野の復習が主です。
公立高校の場合,どこを受けようとも問題の難易度は高くないので,難関私立校向けの問題集によくある,難しい問題にチャレンジする必要はありません。
スタサプ中3生の1~2月の学習目標
ここまできたら,志望する高校の過去問を演習するだけです。
本番の得点力を磨きましょう!
この時期はメンタル対策も重要で,不安になった際は,今までの教材を復習するようにしてください。
特に理社は,暗記したものを忘れてしまうとここまでの努力が報われません。
試験前には素早くノートなどを見返して,必要な知識をすべて思い出した状態で本番を迎えるようにしましょう!
まとめ
以上,公立中に通うスタサプ生が,中3の1年間をどのように学んで過ごすべきかについてのまとめでした。
スタディサプリの講座を活用しつつ,不十分なところは市販の問題集を併用し,ノート作りやディクテーションでは手を動かして書き残すようにするとともに,最後に過去問を解く量をどれだけ増やせるかが勝利の鍵です。
その他,定期テストの結果が良くて内申点が高くなれば高校入試で有利に働きますし,英検を取ると資格欄に書くことができます。
近くの塾に通ったところで,概ね当記事で紹介したのと同じペースで学習カリキュラムが設定されることがほとんどでしょう。
なので,「いま自分は何をすべきで何が足りないか」についてよく考えながら,中学3年生の1年間を過ごすようにしてください。
ここに紹介した学び方は,上位の公立高校を受ける場合であってもほとんど変わりませんが,問題集のレベルは難しいものを選ぶようにしましょう。
陰ながら,みなさんの合格を祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。